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魔女のノート:万城目学氏講演会「職業としての小説家」を聴講して。

先日鴨川大学で行われた、万城目学氏講演会「職業としての小説家」を聴講してきた。

万城目学氏は鴨川大学法学部の卒業生で、今回は鴨川大学法学部同窓会組織有信会が主催する講演会であった。この講演会は大々的には全く告知されず、本学掲示板は有信会内のみの発信であったそうだ。ちなみに魔女は前日に会場の掲示で知った(写真)のだが、ほぼノー宣伝にも関わらず法経第一教室という大教室が超満員。入ってくる聴講者たちが、一様に満席の会場をみて、口を揃えて「うわ、すご」というくらいの人出だった。

 

さて、まず、万城目学氏について簡単にご紹介。もちろんwikiから。

万城目学 - Wikipedia

大阪府出身、東京都在住。京都大学法学部卒[1]。『鴨川ホルモー』『プリンセス・トヨトミ』などの、実在の事物や日常の中に奇想天外な非日常性を持ち込むファンタジー小説で知られ、作風は「万城目ワールド」と呼ばれる

 

つまり、結構ファンタジーな小説家の方である。

ちなみに私はいずれも読んだことがないが映像作品として知っている。ちなみに奈良県民の魔女様『鹿男あをによし』が大好きだ。

 

で、講演会だが、60分の講演、30分の質疑という構成。

法学部教授に連れられて(まさに連れられてというかんじで)万城目学氏が入場し、万城目学氏のファンであるという教授の挨拶もそこそこに、教壇にたつ、、、というか教壇のパイプ椅子に座り、大きな教壇からヌッと顔をだし、氏の講演が始まった。

 

はじめに申し上げるが、氏もテヘペロするくらい「職業としての小説家」という講演タイトルについて合致した内容はおよそ5分ほどしかお話されていない。そして、肝心な話題とおもわしきところまで40分ほど導入のお話をされた。

内容があまりにあまりなのでここは省略したい。

 

さて、講演によると、氏が小説を書き始めたのは学部3回生のころだそう。

1−2回生のサークル活動を頑張る時期が過ぎ去り、4回生からは就活が始まる。そんな慌ただしい大学生活で唯一ぽっかり穴のあく3回生のころ。

そのころに、正門から東一条通りをチャリで帰るときに見上げた空の「透明さ」が氏の心に強く張り付いた。

その透明さを表現するために、氏は小説を書き始めた。

 

そして、氏はその3回生の1年で1本長編小説をかいたそうだ。

それを当時付き合っていた彼女、本をたくさん読んでいた女性、男性の親友、その3名に見せたところ「きもい」と言われたそうだ。

そう、彼が書いたのはファンタジー小説ではなく、純文学や私小説というジャンルのものだったそうだ。

 

その後、余暇で小説を書こうと決心した氏は就活で「楽そうな」会社を選ぶ。某工場の総務部で経理の仕事をするも、遅筆の彼はなかなか小説が進まないし、仕事終わりの小説の執筆は肉体的にも脳みそ的にもかなりしんどかったようで、彼は200万の貯金を元手を持って退職する。退職して、小説を書き始める。

そして2年、純文学や私小説を書き続けたが、残り貯金が15万円をきったところで、なんか書いたら、当たったのが「鴨川ホルモー」である。

鴨川ホルモーの成功で氏が悟ったのが「自分を入れない」ことだそうだ。今まで、例えば、自分の「孤独」を入れようとする。でもそうすると、面白くないらしい。

自分のことでなくて、例えば学生の頃出会った吉田寮の変な奴をモデルにしたり、そういう他者を語る方が面白いらしいのだ。

氏がおっしゃるには、「自分のことを書かなくなったらプロになれるし、それにはだいたい7年かかる」とのことだ。

だいたい7年かかって、自分という殻を破って自分ではないという小説がかけるのだそうだ。

まぁ、だいたいこんなところですかね。本公演は。

質疑についてはより「職業としての小説家」っぽい質問が溢れることになる。

質疑の内容はこれを書いている段階でもう1週間以上立ってるのでだいぶんうろ覚えでございます。

まぁ例えば、メディアミックスによる成功や、お金のこと(印税収入や原稿料について)、あと、そのお金の話を踏まえて、職業作家としての筆の速さが兼業か専業を決めるということでしたね。おおよそには。

 

実際、本講演より私は質疑応答の方がおもしろかったのですけど。とりあえず、もう書くのが面倒になって来たので今日はこの辺で。